インターネット接続が市内全域で無料に、公共無線LAN
ホーチミン市が無線LAN(WI-FI)を観光客向けに無料で開放するようだ。この計画が文字通り実現すれば、観光客と地元民は、数ヶ月以内に市内どこからでもインターネットへ無料接続できるようになる。
現地紙の報道によれば、シンガポール企業が市内全域で無料提供を行うという。
ベトナムでは公共無線LANがどこでも接続可能な環境が整いつつある。国内のインターネットユーザーは3,300万人、人口の約4割と見込まれている。また、ベトナムは、電話・インターネット通信料が最も低い国の一つとされている。
地場産業育成の観点からは良いことばかりではない?
低料金でインターネットへアクセスできる環境は、若者のITリテラシー向上に向上すると見込まれる。こうした低コストのIT環境は、先進国よりも開発途上国のほうがアドバンテージがある。途上国初のイノベーションが生まれやすい分野として情報通信技術(ICT)が注目されているゆえんである。また、短期間であっても、こうした試みが民間企業によって行われることは歓迎されるべき事案ではないだろうか。
一方、あえて留意したい点もある。
今回のホーチミン市の件については、シンガポール企業がサービス無料化の重要な役割を果たしている。民間企業が今回の政策に不可欠な役割を担っており、企業としての旨味がなくなった時点でサービスが終了されることだろう。政策の持続性に不安が残る。
また、サービスプロバイダーが外国企業という点も、国内産業育成の観点からは疑問符がつきそうだ。市内全域で無料インターネットが使えるようになれば、地元のインターネットプロバイダーは育たなくなるだろう。技術者は養成されるので悪いことばかりでもないが。