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国際機関邦人職員インタビュー:UNICEF 伏見暁洋さん

 ーー多くの資金を調達することのどこが悪いのでしょうか?

資金を多く獲得することは大切ですが、それだけが目的ではありません。究極的には、子どもが健康になって死亡率が下がって、質の高い教育を学校で受けられるようになれば10億も50億も関係ないと思ってます。

また、徐々に変わってきていると感じますが、それでも企業によっては、、新しい市場の開拓や自社製品の販売促進をする思惑を隠さないで、資金の使い道を細かく指定してくることも少なくありません。

しかし、その資金によって本当に子どもたちにインパクトを与える仕事ができなければ意味がありません。極端な例では、「そういう条件だったらお金はいりません」と断ることもありますね。

やはり企業にはどうしても利益を追求するという目標がある。一方、UNICEFにとっては子どもたちを救うことが目標です。二者ともに異なる目標を持っているなかで、それでも粘り強く交渉して、企業の理解を得ていくことが重要ですね。

ーー交渉が難しそうですが、どうやって説得するのでしょうか?

UNICEFはブランド力があり、企業にとってもCSR活動の一環でお金を出すとしたら魅力的な機関ですし、企業もUNICEFにとっては不可欠なパートナーとなりつつあります。「じゃあお互いに協力して、お金だけでなく、専門的な技術や知識も出して何かいいことをやりましょう」と。その話し合いの繰り返しですね。譲れない部分はありますけど。

ーージュネーブの勤務を振り返ってどうでしたか?

UNICEFでは、現場の最前線にいる専門職員であっても、プロポーザルやレポートを書いたり、ドナー・パートナーの現場訪問に対応したりして、基本的には全員が資金調達に関わらなくてはいけません。

僕自身も現地の事務所でやっていましたが、それをグローバルレベルで見ることができたのはいい経験になりましたね。

一方で教育分野への情熱を再確認しました。また次のポストでアジアの教育分野に携わるのが楽しみです。そこでも資金調達やドナー対応は必ずついてまわると思いますが、その点ではジュネーブでの経験は活用できると思いますね。

 

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