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世界人道サミット:取り組むべき人道課題はまだ多く残されている

5月23~24日に開催された世界人道サミットでは、人道活動関係者、開発関係者、平和構築関係者が一堂に会し、世界で多発する人道危機への対処を検討する貴重な場を提供しました。しかし、UNDPは取り組むべき人道課題はまだ多く残されていると考えています。

24日に閉会したサミットでは、人道支援活動、開発、平和構築を横断的に横串で貫く斬新な分析、計画、プログラム立案のアプローチが必要であることを UNDPは訴えました。このアプローチによって、人道危機下において複数年にわたる柔軟な人道・開発支援の資金調達が可能となり、危機の回避や危機への備えや、地域や国内の制度や人材への投資が可能となるからです。

UNDPのヘレン・クラーク総裁は「持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年までに人類が抱える世界の大きな課題を解決する中で、誰をも置き去りに しないことを約束しています。この約束を守るには、人道支援活動、開発活動、平和構築活動がより緊密かつ効率的に連携して対処する必要があります。世界人 道サミットは、可能な限り人道危機を回避するとともに人々やコミュニティの強靭性を強化することを基本として、人道危機や災害に対応するためのより持続可 能なアプローチを提示する重要な機会となりました。まだUNDPがやらなければならないことはたくさんあります」と呼びかけます。

また、「選択の余地はありません。現状のままではだめなのです。人道支援の必要性を低減するためになすべきことがたくさんあります」と訴えます。

UNDPはまた、新たなパートナーシップである「緊急事態に備えるグローバル・パートナーシップ(Global Partnership for Preparedness:GPP)」にメンバーとして参加しました。このパートナーシップは、最初の20か国で気候変動がもたらす災害リスクに備えて最 低限の準備を進めます。

サミットでは、企業のグローバルネットワークも立ち上がりました。これは、備品の事前装備、人道支援物資などを調達するとともに、危機を回避する人材や専門知識などを提供するためのネットワークです。UNDPはこのネットワークを率いる組織の一つです。

 

国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所ウェブサイトより転載

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