国際

広く狭い世界

週末はたいてい家でゆっくり勉強しているか、バイクタクシーにのってどこかへ行くかしているのだけれど、先週末は違った。夕方に新年会をやるという誘いを受け、ありがたく参加させてもらうことにしていたのだ。

プノンペンに10年以上も住んでいるジェンダー専門家の方が積極的にこうした会を持ってくれている。実はプノンペンにはかなりの数の日本人が長期滞在して いる。そしてほぼ9割程度は開発援助業界で働いている人たちだ。そしてJICA、日本大使館、NGOで勤務している人たちが大多数で、私のように国際機関 (インターンを含む)で働いている人はやはりごく少数である。

ちなみに、邦人開発従事者がカンボジアに多いのは、実はカンボジアが日本にとって重点地域だからで、日本がJICAを通してかなりの事業を展開しているからだ。
話を戻すと、今回の新年会には20人あまり参加し、交流を深めたり、久しぶりの酒を交わした。ただ、せっかくの交流会も、酔っ払いだすと、あまり細かいところまで覚えていないから困る。そうして会を重ねるたびに、人の名前を覚えていくのはいつものことだけれども。

ところで、そこで驚きの出会いがあった。なんと、2007年11月に東南アジアを歩いていたときに、たまたま同じバスで、たまたま隣の席となり、たまたま バンコクまでご一緒した日本人女性とその席で一緒になったのだ。当然、当時のことなどかすかにしか覚えておらず、顔や名前なんぞまったく思い出せなかっ た。しかし、話しているうちに、「あれ?どこかで聞いたことある話をこの人するな・・」と思い始め、ついに答えがわかったのであった。

こんなことがあるとは本当に驚きである。

ただ、開発業界、いや『日本の』開発業界は狭い。そのためこれからもこうしたことはあるのかもしれない。一歩日本の外へ出て、日本以外の組織で働き始めれ ばこういうことは少ないのかもしれない。日本人はどうしても語学の面で国際機関で働くレベルに達せないことが多く、日本国内にとどまるケースが多いと聞 く。これからもっと日本から人材が外へ出て行くようになるのが、日本の開発業界成功のカギなのかな、と思いを巡らせてみたりもした。

あのときほんの5時間だけご一緒して、30分程度話しただけにもかかわらず、またこんなところで出会えるのはとても嬉しかった。しかし、これからこういう 機会がどんどん減っていくことが、今ある「狭い開発業界」を広く影響力のあるものに変えていくことを意味しているのかな。そう思うときもある。

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