東南アジアレポート 27-バスでプノンペンからバッタンバンへ
2007年11月22日 Battambang (Cambodia)
首都プノンペンから北西へバスで5~6時間走り、バッタンバン州に入った。プノンペンを出てから国道をひたすら真っ直ぐ走ってきた。何もない大穀倉地帯が目の 前に広がった。カンボジアの米どころだ。同時にこの地域はプノンペンに次ぐ大都市でもある。しかし、そこに都会の喧騒はなく、古き良き人々の暮らしらしき ものがあるような気がした。
バスターミナルへ到着し、昨夜連絡を取っていた現地NGOの人を探してみたが、それらしき人は見当たらない。仕方がないので、近くの店に入って、電話を借りることにした。電話を掛けるといっても、公衆電話のようなたいそうな物があるわけでもなく、ただ携帯電話を持っている人にお金を払って借りるだけのことである。この掛け方にももう慣れた。
案の定、まだバスターミナルには来ていないようだった。それどころかまだNGOのオフィスにいるらしく、数十分はかかるとの事。かなりノンビリしている。これがもし日本でのことなら、いらいらしてしまう場面かもしれないが、ここではなぜか「やっぱりな」と思ってしまう。僕らには僕らの時間があり、彼らには彼らの時間があるのだ。同じ1時間でも、彼らにとっての1時間と僕らにとっての1時間は全然違った意味を持つ。効率が全てではないことを彼らは僕らに教えてくれる。
NGOの代表とその息子が、NGOオリジナルカラーに塗られた原付で迎えに来た。僕と同い年くらいの彼が運転するバイクで僕はNGOが運営する孤児院へ向かった。ノーヘルで原付の後ろに跨るのは少し怖いけれど、大穀倉地帯のど真ん中を走っていると思うと心躍る気持ちになる。
孤児院はそれこそ大自然の真ん中にあり、そこで10歳から18歳くらいの子どもたちが学び、遊んでいた。僕が到着すると、楽器の演奏や踊り、あるいは全員の自己紹介など、彼らは暖かく迎えてくれた。そして、仕事の交渉をしてから夕方日が暮れるまでボールを蹴ったり、バレーをしたりして過ごした。
この日の夕日は格別に綺麗だった。