ラオス

ビエンチャンワッタイ国際空港へトゥクトゥクで行く-値段交渉編

The Mekong River
The Mekong River

東南アジアレポート 15-ビエンチャンのトゥクトゥク

2007年11月16日 Vientiane (Laos)

この旅始まって以来のひどい頭痛。重い頭を2、3発叩いてからベッドから出た。どこへ行ってもいつもと変わらぬ気持ちで生活できるのが特技になりつつあるが、さすがに体は疲れているようだ。ただ、変な病気にかかったわけではないと確信していた。昨年のカンボジア訪問の際にお腹を壊した経験があったので、食事には細心の注意を払っていた。

5日間お世話になったゲストハウスを出ると、少し寂しく感じた。だけれど、飛行場へ行かねばならなかった。「またいつか戻って来たい」そんな気持ちを後ろに残して、飛行場へ向かって歩き始めた。ただ、さすがに重たい頭で炎天下を3キロも歩く気にはならなかったので、まずはトゥクトゥクを探すことにした。

歩き始めるとすぐに1台のトゥクトゥクが目の前に止まった。彼はふいに「4ドルでどうだ?」と聞いてきた。「10,000キップ(=1ドル)で行きたいんだけど」と答えると、何やらメニュー表らしきものを取り出し、しきりにそれを指差しながら、「ほら、ここに4ドルって書いてあるだろ?」と、意味のわからない論理で攻め立ててきた。「これは威勢のいい奴に出会ったなぁ」と思いながら、「じゃあね」と言い、その場を後にした。英語の流暢なドライバーはあまり値切り交渉に応じてくれない。外国人慣れしているからだ。

また少し歩くと、昼寝中のドライバーが重たそうな体を起こし、声を掛けてきた。「4ドルだけどどうだ?」と。「10,000キップで行きたいんだ」と伝える と、今度は「3ドルで。いや、2ドルでいいよ。」と提案してきた。それでも「いやぁ10,000キップでなんとかならんかね?」と言うと、「いや、空港まで送ってやるのは10,000キップなんだけど、俺がそこから帰ってくる分がもう10,000キップかかるんだ。最近はガソリン高いの知ってるだろ?」と食い下がっ た。これ以上は無理と判断し、「いや、ごめん。またね。」と言い、その場を後にした。

とりわけ頭痛の時にこういう駆け引きをしなければならないのはなかなか辛いものがある。当然この時も「もうそろそろ、妥協しようかな・・」と考えていた。 ところが、どこからとも無く幸運というものは降ってくるもので、つい数分前に別れたドライバーが後ろから追いかけてきて、「仕方ないから乗せてやるよ」と言ってくれた。それでも少し申し訳なく思っていて、持っているキップの全部を見せて、「これでいいの?」と確認を取った。それでも乗せてくれるというので、本当にありがたく乗せてもらうことにした。ラオスで見る最後の風景と心地よい風を感じながら10分もすると空港の前に着いた。そこで全財産12,500キップを渡すと、500キップだけ返してくれた。お金を少ししか持っていない外国人旅行者に情けを感じたのだろうか。いずれにしても、感じの良いドライバーだった。

また少し、値切り上手になったのかもしれない。

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