今、戦場に立っている。戦の狼煙があがれば、政府、労働者、使用者が四方八方から一気に攻め込む。国際労働機関(ILO)は政策論争と政治の駆け引きが入り乱れる戦場のど真ん中に陣を構える。その役割は喧嘩の仲裁ではなく、全員が勝つための戦略を一緒に練ること。
アジア・大洋州
新興国の一大産業、戦略の舵は誰がとるべきか(前編)
パキスタンの繊維・アパレル産業を事例として、産業開発において求められる民間と政府の役割、産業振興・産業人材育成の戦略的政策づくりを考察する。パキスタンの成長を握る繊維・アパレル産業。民間主導か政府主導か。戦略的な政策づくりで連携プレーを発揮できるか。
雇用保険制度の導入を議論するインドネシア
インドネシアで雇用保険制度の導入が議論されている。現在の社会保険制度は、労災補償、死亡保障、年金保障、老齢保障の4本立てとなっており、労働社会保障機関(BPJS Employment)が実施を担っている。ここに5本目の柱として雇用保険制度を新たに導入するための議論が展開されている。
ベトナムで収入向上支援プロジェクト、青年海外協力隊×福島の和菓子職人
JICA青年海外協力隊としてベトナムで活動中の山田邦永氏が、配属先のNGOである「VIRI」と福島県二本松市の菓子職人である松本克久氏と協力し、ゲアン省ナムダン県で葛(くず)を使った新しいお土産開発を進めている。
深刻化する「格差」問題
国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)がアジア太平洋地域における持続可能な世界共通目標(SDGs)の2030年達成に向けた進捗状況を発表した。その中で気になったことが一つある。それは東南アジアにおける格差問題の悪化である。
パキスタンの産業人材育成の現場から
「産業開発」、「民間セクター開発」と聞いて、どのような開発支援が頭に浮かぶだろうか。この分野は、途上国への開発協力の中でも保健医療や教育といった分野に比べて馴染みの薄い分野のように思われる。
ベトナムの社会保障・社会保険改革のポイント
2018年5月、第12回ベトナム共産党中央委員会(CPVCC)が開催された。主な議題は社会保険改革に関するマスタープラン(Master Plan on Social Insurance Reform: MPSIR)で、第28号決議案が採択された。同決議は社会保障カバレッジを段階的に拡大し、すべての国民が社会保障の恩恵をあずかることを目指している。
アジアの雇用労働環境の現状と課題
雇用の質の改善がアジア諸国の喫緊の課題となっている。また、インフォーマル経済への対応、ジェンダーギャップ、経済構造転換など地域特有の課題も散見される。
急速に停滞するカンボジアのマイクロファイナンス業界、金利上限引き下げが影響か
急速に停滞するカンボジアのマイクロファイナンス業界。中央銀行が金利上限を18%に引き下げた影響で、今後さらに停滞することが見込まれる。
多くの犠牲者を生み出した「ラナ・プラザ」ビル崩壊事故から4年、つくり手と買い手の正しいあり方を考える
2013年4月24日にバングラデシュの首都ダッカ近郊でファストファッションの衣料品が多くつくられていた「ラナ・プラザ」ビルが崩壊し、1,100名以上が亡くなった事故。これを機に、世界中がファッションの裏側で生まれる問題を考えるようになり、今年で4年が経ったが、「ラナ・プラザの悲劇」以前にも実は多くの悲劇は生まれていた。