カンボジアマイクロファイナンス協会(CMA)の会長は先月のワークショップで、カンボジア国内のマイクロファイナンス機関(MFI)が抱える延滞債務について懸念があることを明かした。プノンペンポスト紙が報じた。
CMA会長のホウ・レントン氏によれば、1月からの延滞債務の割合が2倍に膨れ上がっている。返済期限から30日以上延滞しているポートフォリオリスク(portfolio at risk=PAR)の総額は今年初めの0.5%より微増して1%となった。
同氏は、「農業セクターでの貸付額は全体の30%に上るが、今年4月と5月には干ばつによって甚大な影響を受けた。そのせいで農家のキャッシュフローは減っており、返済が難しくなっている」と語る。また、「他国に比べてPARの割合は比較的低いが、将来の問題化を防ぐためにも今から注意しておくべき」と述べた。
カンボジア最大手MFIのプラサックマイクロファイナンスでチーフエグゼクティブを勤めるシム・セナチート氏は、「過当競争が原因で、複数の融資機関が同一人物に融資をしており、債務者の返済能力を超える金額になっている」と述べ、融資審査に関する誤りを認めている。
延滞債務額の増加の背景には多重債務問題があると考えられている。
大手MFIのアムレットのチア・パラリンCEOは、「PAR率の上昇は、カンボジア国内のMFIに危機が迫っている証拠だ。このまま返済期間が考慮されない事態が続けば、過剰に負債を抱えてしまう」と主張した。
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