仕事自体が少ない
一般的な国民にとって沢山の収入を得るには、よい仕事に就くのが一番。しかし、マラウイの国には産業が少なく、定期収入をもらえる仕事はあまりない。定期収入がもらえる仕事についている人は、マラウイでは結構いい経済状態に位置する。定期収入の職に就けなかった人は、どうにか自分で稼ぐしかない。以下、思いつく限り、私の任地コタコタ県にある仕事を書き出してみた(所得層は私のイメージで分けたのであしからず)。
高所得層に位置する仕事(定期収入があり、給与が高い仕事)
- 公務員(オフィサー、警察官、先生、病院のスタッフ、留置所のスタッフなど)
- 企業で働く人(砂糖メーカーのスタッフ、銀行マンなど)
- 家のオーナー
- NGOで働く人(公務員よりNGOの方が給与はいいと聞く)
- 車の専属ドライバー(NGOや政府などに雇われている)
- レストラン、旅館、会社の経営者
中所得層に位置する仕事(主に定期収入がある仕事)
- レストラン、旅館、会社で雇われて働く人
- 家畜ビジネス(卵、鶏肉、ヤギ肉、牛など)(そもそも家畜に投資できる人はある程度貯えがある)
- 個人経営のお店運営者(グロッサリー、携帯充電のお店など)(比較的低投資でスタート出来る)
- 警備員、ウオッチマン
- 交通機関で働く人(ミニバスの運転手、船の運転手など)
低所得層(定期収入があまりない人)
- 農業従事者(メイズ・米など主食系、野菜など販売作物系)
- 漁業従事者(湖沿い限定の仕事)
- 売り子(あげぱん、アイス、水、魚、服、靴など)(自分で物を作って売るケース、他の人から物を買って売るケースがある)
- チャリンコタクシーのドライバー
- レンガ造りビジネス
- 洋服仕立て屋さん
じっくり考えるとまだ仕事はあるかもしれないが、日本など先進国に比べると圧倒的に仕事の種類が少ない。定期収入がある仕事に就けている人は、セカンダリースクールに行って教育を受けた人が多い。一方で、家族の都合などで教育を十分に受けられなかった人は、定期収入に着くのが難しく、どうにか自分で稼ぐしかないのが現実だ。結局お金を稼ぎたいなら、自分でビジネスをするしかないが、ビジネスをスタートするにも様々な課題が存在する。
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