国際協力機構(JICA)で勤務している方
職員、期限付職員、専門嘱託、専門家、企画調査員、国際協力専門員など、JICAで勤務されている方を対象としたガイドラインです。
本部で情報収集や政策分析を行っている人とプロジェクトの最前線で仕事をしている人は、異なる立場で仕事をしているからこそ、お互いにとって新しい視点や意見を共有できるのだと思います。開発援助のプロフェッショナル同士がオープンな場で自由に意見交換することを目指しています。
ここでは、「これなら書ける」と思っていただけるように、思いつく限りの例を挙げてみました。
地域のプロフェッショナル(地域部)
ニュース紹介・解説
JICAの地域部担当職員は、その国の第一人者です。日常的に担当国のニュースをフォローする中で、注目のトピックが必ずあると思います。担当国がマイナーな国であればあるほど、ニュースを毎日ウォッチしている人は日本全国で一人だけかもしれません。ニュースに解説を加えてタイムリーに紹介することができるのは、地域部担当職員ならではといえるでしょう。
開発課題・現状分析
援助戦略を検討する際に、「国別分析ペーパー」や「国別援助方針」を作成すると思います。文献やデータを参照して考え抜いた見解を紹介して頂けると面白いと思います。また、援助戦略は一般公開されているので、日本の援助方針を一般向けに解説する記事も需要がありそうです。
現地調査・出張報告
調査報告書もネタの宝庫です。基礎情報収集・確認調査などで、セクターの現状調査を行い、援助戦略を修正することがあると思います。現地調査を踏まえ、なぜ、そのセクターへ投入することが妥当なのか。データと実態の乖離はあるか。現地調査をきっかけに、開発課題を考えるのも面白いと思います。
課題のプロフェッショナル(課題部)
援助潮流
担当セクターの援助動向はどこへ向かっているのか。国を見る視点では見えてこない、世界のトレンドを紹介したり、モノ申すことができるのは課題のプロフェッショナルならではです。
セクター分析・アプローチ
技術協力、資金協力、協力準備調査など、特定分野を深掘りできるのが課題部担当職員特有の強みです。文献やデータを参照しながら、調査の企画や案件実施計画書を作成していくと思います。その際に蓄積される知識や分析を紹介してみてはどうでしょうか。
地域間比較
課題のプロフェッショナルは、様々な国で調査を実施し、案件を展開しています。「A国にはXXXという課題があり、B国も同様の問題があるから、こういうアプローチが解決策となりそうだ」といった議論はとても面白い視点です。
「そもそも」論
同じセクターを何年も担当していると、「そもそも開発とは何か」「このアプローチでよいのか」といった疑問がわいてくることがあります。問題意識を発信することで、自分の考えがまとまるきっかけにもなり、読者や他のプロフェッショナルから意見を得ることができます。
現場のプロフェッショナル(事務所員、専門家、企画調査員)
現場の声
開発途上国で活動する人は、現場の生の声を届けることができます。カウンターパート、開発パートナー、住民から聞いた些細な話も、開発課題を考えるきっかけになります。
プロジェクトの苦労
現場の苦労話は読者の関心をそそるだけでなく、その苦労の原因が何なのかによっては案件のボトルネックを検証する材料となるかもしれません。日常の些細な出来事を記すことで見えてくる新たな視点がそこには隠されています。
ステレオタイプ打破
現地へ住んでみて初めて分かった意外なこと。情報の少ない開発途上国には、往々にしてステレオタイプが存在します。「実は違う」という意外性のある記事は、多くの人が関心を寄せるものです。
JICA関係者による過去の投稿記事
ルワンダの目指す「知識基盤型経済」とは:JICAルワンダの10年を振り返る(地域:開発課題型)
日本による中央アジア地域支援の展望(地域:開発課題型)
持続可能な開発目標(SDGs)へICTはどのように貢献できるか?(課題:援助潮流型)
最貧国で社会保障の財政余地をつくる8つの方法(課題:援助アプローチ型)
言語とダイバーシティ-カメルーンの公用語は?(現場:ステレオタイプ打破型)
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2019年8月1日
The Povertist編集部