概要
開発学研究所(Institute of Development Studies)は、世界を代表する開発学の研究機関。1966年の創設から英国政府、英国国際開発省(Department for International Development: DFID)のブレインとして機能してきただけでなく、その先進的な研究は世界のトップレベルとの声が高い。特に、特定の学問に特化せず、学問横断的に開発における諸問題にアプローチする姿勢は、世界のどの研究機関と比べても、ここに勝るものはないといえるかもしれない。
英国サセックス大学構内に拠点を置くが、経済的には完全に独立しており、大学から一銭も資金提供を受けていない。その一方で、大学院生を受け入れるなど教育にも熱心である。その方針には、研究者と大学院生との交流をはかることで、意見交換が活発になり、お互いを高めあえるとの狙いがあるようだ。事実、IDSの多くの学生が世界各地で経験をつんできた精鋭であり、政府、国連、NGO関係者も多数を占める。
「学生から学ぶ」という姿勢はIDSの色を語る上で欠かせない。その教えは、ロバート・チェンバースに見るように、参加型手法の継承といえるかもしれない。「教えるのではなく、方向を示す。そして自由に議論してもらい、参加者から学ぶ」のである。
IDSを卒業した学生のほとんどは、サセックス大学のアイデンティティを持たず、IDS卒業生としてアイデンティティを持つ傾向にある。ちなみに、IDS卒業生はサセックス大学の同窓会に加入することとなるが、同時にIDSの同窓名簿にも載る。
外部リンク
・英国開発学研究所(Institute of Development Studies)
・英国国際開発省(Department for International Development: DFID)