カンボジア

プノンペンの朝-インターネット契約

写真: 仮眠をとるモトドライバー。12月5日撮影 (2009年 THE POVERTIST / Ippei Tsuruga)
写真: 仮眠をとるモトドライバー。12月5日撮影 (2009年 THE POVERTIST / Ippei Tsuruga)

早起きは三文の徳。新居に移ってから初出勤の朝。いつもよりだいぶ早く家を出た。

7時半のプノンペンの朝の風は昼間とはまた違って「清清しい」という言葉がよく合う。真新しい真紅の螺旋階段を下りると、朝から地元民が活発に行き来している。この国の朝は早い。一人ふらふらと大通りへ向けて歩き始めるとすぐに後ろからクラクションの音。またいつも通りモトタクシーが追いかけてきた。はじめから乗るつもりだったけれど、一応ふてぶてしい仕草をしてみて、牽制をかける。

「どこへ行く?」「プノンペンセンターだ」「よし乗れ」「いくらだ」「ピーポワン」「OK」英語とクメール語のちぐはぐな会話で交渉が成立する。「ピー」は2で、「ポワン」は1000。あわせると2000リエル。0.5ドルだ。ここへ移ってくる前は職場まで、交渉で粘った挙句にようやく1ドルまで値切れたのに、ここでは始値が0.5ドル。外国人街から少し離れると、街の雰囲気だけでなく物価も地元民と同じレベルに下がる。ちょんと乗っかった125ccの原付の後部座席は、見かけによらず乗り心地がよい。ノーヘル二人乗りは当たり前のこの国の文化に体が少しずつ慣れ始めている。

昼休みにはインターネット会社に話を聞きに行き、かなりの高額に驚かされた。10年以上前の日本のインターネットサービス水準以下の割りに、値段は日本の光ファイバーよりもはるかに高額。いったん出直して、また明日行くことにする。銀行から預金を下ろさなければ払えないほどの高額だった。しかし、インターネットがないと本当に時間を持て余すことに気づいた。クメール語を少し勉強しようと思えばお釣りが繰るほど時間がある。仕事が5時の定時ぴったり終わることはもう一つの理由なのだろう。まだ5ヶ月半ある。有意義に過ごしたい。

(2009年10月5日の日記より)

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