社会保険を非正規労働者へ
開発途上国の非正規労働者(Informal Workers)へ社会保険(Social Insurance)を届けるにはどうすべきだろうか。
開発途上国における貧困削減政策の中心に、社会保障がある。一般的に、社会保障制度のうち、受益者から保険料を徴収するスキームのことを社会保険と言う。
この社会保険制度を非正規労働者へ拡充するにはどうすべきだろう。開発途上国では非正規労働者の割合が7-8割を占めることが一般的。一方、多くの場合、社会保障制度は企業勤めのサラリーマン、いわゆる正規労働者のカバレッジがほとんどで、非正規労働者はカバーされないことが多い。
こうした議論が今、ホットな話題となっている。
ジェンダーと社会保険、女性の非正規労働者に注目
英国のシンクタンクODIが今回発表した論文は、スコープをさらにジェンダーに焦点を絞ったもの。女性の非正規労働者は男性に比べ、多くのリスクに直面し、それでいて、社会保険でカバーされないことが多い。
論文の中では、労働市場における法整備、ケアエコノミー、革新的な制度設計、女性がアクセスしやすい制度設計などを扱っている。
ジェンダーと社会保障の専門家の方にとっては、興味深い文献となりそうだ。
参考文献
Holmes and Scott. 2016. Extending social insurance to informal workers: a gender analysis. ODI Working and Discussion Papers