CURRENT EDITION
2つの新企画 2019年9月1日号
今月は2つの新しい試みを始めました。1つ目は、新企画『ペーパードリップ』です。実務家は時間に追われる生活の中で、効率よくエビデンスを収集しなければなりません。残念ながら研究者が手塩にかけて送り出した論文を一つ一つじっくりと読むことは難しいのです。そのため、大学院卒の若手コンサルタントへ文献レビューを発注し、いわゆる「まとめ情報」で最新の研究を把握することも多いのが現実です。当然、この過程で研究者が伝えたい情報が見落とされることも起こり得るでしょう。エビデンスを政策の現場へ届けたい研究者と、時間に追われる実務家を直接繋ぐことはできないか?そう考えた末に思いついたのが、『ペーパードリップ』です。研究者は自分の論文やイチオシの論文の一番おいしい部分だけを抽出して投稿します。実務家はおいしい部分だけを読み、実務に活用する。このような流れが生まれれば嬉しいです。
2つ目の新企画は、The Povertist 広告部です。国際協力に携わるすべての人が自由に告知できるスペースを作りました。イベント、記事、論文、プレスリリース、人材募集など、有益な情報を自由に共有するプラットフォームになれば嬉しいです。
01 観光開発分野で国際協力に関わる理由
Column / Vietnam / Mami Teraoka / 記事リンク
私はベトナムは発展途上国だから、援助が必要であろうという姿勢で物事に臨んだことは無い。観光業から見た東南アジアの市場は、非常に面白い。私自身が、その現場にいたかったという意志が一番強い。
02 途上国におけるNGOの運営問題とは?
Column / India / Ayano Ito / 記事リンク
インドで在学している大学院のプログラムの一貫として行われる週2回のフィールドワークでの経験について。
03 ナイジェリアの若者と雇用
Column / Nigeria / Naoko Koizumi / 記事リンク
アフリカの若者はどのように仕事を見つけ、どのように職を得るのか。彼らにとって「良い仕事」とはどのようなものか。「良い仕事」を得るために何が重要な要因になると考えられているのか。
04 あなたの論文が読まれない理由
Column / World / Ippei Tsuruga / 記事リンク
私たちは読むことに疲れてしまった。大量の情報処理に追われる実務家には、ドリップコーヒーができるまでの数分しか残されていないのかもしれない。
05 新企画『ペーパードリップ』とは?
Drip / World / The Editorial Board / 記事リンク
「3分で学術論文の要点を読む・読ませる」を実現する新企画。エビデンスを政策の現場へ届けたい研究者と、時間に追われる実務家の橋渡しを目指す。
06 インドネシアの中小企業にとって社会保障は負担か?
Drip / Indonesia / Ippei Tsuruga / 記事リンク
インドネシアの中小企業経営者が従業員に社会保険を適用することは、売上への先行投資となる。
07 経済成長はカンボジアの慢性的貧困を改善したか?
Drip / Cambodia / Ippei Tsuruga / 記事リンク
経済成長によって消費は改善したが、慢性的貧困の根本的な原因の解決には至らなかった。世帯消費のみに基づき貧困削減政策の対象選定を行うと、支援を最も必要とする慢性的貧困世帯を対象外とするリスクがある。
08 The Povertistが『広告部』を開設
Announcement / World / The Editorial Board / 記事リンク
国際協力・開発途上国に関する情報を発信したい団体へThe Povertistのプラットフォームをお貸しし、自由に宣伝して頂くことが目的。
PREVIOUS EDITION
09 中央アジア地域におけるEUによる新戦略
Story / Central Asia / Naoki Nihei / 記事リンク
欧州連合(EU)の動きや体制移行に関する最近の出来事。
10 社会保障の未来を議論する政労使会合、ASEAN諸国
Column / Southeast Asia / Ippei Tsuruga / 記事リンク
ILOは「社会保障の未来」を議論する政労使会合をASEANと共催。
11 インドの大学入試で見た差別と配慮
Column / India / Ayano Ito / 記事リンク
インドの大学院が実際にどのような仕組み。
12 統合は万能薬か?難民出身教師が抱える困難
Opinion / Syria / Risa Otsu / 記事リンク
シリア難民をトルコ社会に統合するためのさらなる努力を求める声。
13 時を忘れさせるほどの魅力に溢れる国、ベトナム
Column / Vietnam / Kuniharu Yamada / 記事リンク
ベトナム政府による観光促進の取り組みと観光資源。
THE POVERTIST編集部では、開発途上国の課題や政策を学ぶ大学院生・研究者・実務家の方からの原稿を随時受け付けています。掲載をご希望の方は、毎月15日までにメール(THEPOVERTIST@YAHOO.CO.UK)で原稿をお送りください。なお、編集にかかる一切の費用はお受けしませんが、報酬もお支払いしていません。執筆の参考としてガイドラインを以下に掲載します。ただし、厳格な制約は設けていないので、執筆内容については個別にご相談ください。
新企画『ペーパードリップ』とは?
エビデンスを政策の現場へ届けたい研究者と、時間に追われる実務家の橋渡しを目指す企画です。ご自身のペーパーなど、ぜひ投稿してみてください。
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