少し前に、『カンボジアへの投資 ~カンボジア株の将来性~』と題して、カンボジアへの投資を考えていると書いた。しかし、具体的になぜ、それほど魅力的なのだろうか。それにはおそらく3つの理由がある。
1. 良質の労働人口の増加:1970年後半に起こったクメールルージュ政権による大量虐殺および飢饉などによって、当時の人口の3分の1が失われたといわれている。中でも虐殺の対象となった知識階級(例:医者、教師、研究者、ジャーナリスト、外国語を話す者など)の抹殺は、その後の経済復興に暗い影を落とし続けてきた。しかし、30年後の今、当時生まれた世代が育ち、知識、技術レベルも向上した。そして今後ますますこうした人的資本の成長が著しくなると予想されている。
2. 政治の安定: 1998年以降、国内の政治は一党独裁政権下での汚職を除けば、安定の一途をたどってきた。経済成長率も直近の10年間の平均が7%を超える水準で維持している。唯一の不安材料といえば、隣国タイとの関係だろうか。
3. 天然資源: カンボジアは実は天然資源に恵まれた国である。その昔、クメールルージュの闘争を支えたのが宝石採掘だったように、カンボジアでは未だに宝石も採れる。そのほかにも、東南アジアを貫くメコン川、トンレサップ湖、港、肥えた土壌、道路だけでなく鉄道も整備される予定がある。
まさにこれからの国・経済といった予感もするだけに、本気で投資を考えてみようかと思ったりもする。貧困削減の過程・状況を見るには、こうした経済傾向を正しく見ておく必要がある。同時に、それらをよく理解するには、住んでみて、そこで観察することも大変重要なのではないだろうか。