イギリス政府が税金の使途をオープンに
英国政府で開発途上国援助を担当する国際開発省(DFID)が、「家計簿」のデータを公開した。500ポンド(約7万円)以上の全ての支出項目が対象。
今回公表されたのは4月分のデータ1,500項目。実は、こうした試みは今に始まったことではなく、毎月行われている。公式ウェブサイトへアクセスすると、エクセルシートでデータのダウンロードが可能だ。
英国では、開発援助にかかる多額の予算が使途不明となった過去があり、国民の援助資金に対する目が厳しくなっていた。世論の後押しもあって、このような先駆的な試みが始まったのかもしれない。
ちなみに、オリジナルデータをそのままダウンロードさせる試みは他の開発パートナー・ドナー諸国ではまだ行われていない。
4月の最も安い買い物は「ホテル代」、最も高い買い物は300億円
データをダウンロードしてソートしてみると面白い。まず、数万円程度の雑誌の購読料から、数百億円の契約金まで全て公開されていることに驚く。
一番少ない支出は、4月25日のホテル代503.03ポンドで、使った部署は政策課(Policy Division)。支払先は非公表となっていることから、個人の立替払いと考えられる(取引先の法人名は全て公表されている)。
一方、最も大きな支払いは、4月28日のGAVIワクチンアライアンスに対するもので、200百万ポンド(約300億円)だった。
透明性の観点からは、こうした試みは歓迎されるべきことであり、今後同様の試みを求める声は各国で大きくなるだろう。その際、留意すべきことは、公開にかかる作業にも行政コストがかかるということ。公表する項目や形式をよく検討したうえで、意味のあるデータを公表することが真の透明性担保となるのだろう。