オックスフォード大学のニック・チーズマン准教授が、アフリカの民主主義に関する書籍を発表した(”Democracy in Africa: Successes, Failures, and the Struggle for Political Reform“)。ケンブリッジ大学出版会から刊行されたこの本でチーズマンは、数々の成功と失敗に直面するアフリカの政治改革の苦悩を描いている。論点がとても明確で読みやすく、タイトルもシンプルだ。私が特に気に入っているのは本の宣伝のためのウェブサイトを作成している点だ。文字はよくまとまっていて読みやすく、何よりも脚注がない。素晴らしい!
アフリカにおける独裁政治の解放と民主主義の促進を進めるにあたって、完璧な解決方法は無いということ。これが彼の主張の根幹であり、複数のアプローチを同時に行うことで、内包性の確保(民族紛争の緩和)と競争の促進(汚職の改善)をバランスよく実現できると主張している。
まとめ記事で、チーズマンは次のように分析の結果を紹介している。
「アフリカ諸国すべてに適用できる理想的な憲法のあり方など存在しない。国が違えば政治的安定を達成するための内包性の程度だって異なる。政治システムが競争激化による緊張緩和を促すことができるかどうかは、その国の人口動態、地理的・政治的要因をよく理解しているかに掛かっている。それを踏まえれば、アフリカ諸国のほとんどが内包的な政治メカニズムに焦点を当てていないことは明らかだ。特定のコミュニティがシステマティックに排除されることを政治システムが防げていないのである。」
この記事はThe Povertist編集部が原文の一部を翻訳して掲載しています。