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現金給付プログラムが研究実務の架け橋に

photo credit: Organisation for Economic Co-operation and Develop via photopin cc
エスター・デュフロ
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何度もお見合いを試み、喧嘩別れを繰り返した二人が今一緒になろうとしている。それもたった一人の仲人によって。

2000年代に始まった現金給付プログラムのブームは、途上国から始まり、今やアメリカ政府や日本政府が真似るまでに成長した。当然、途上国の貧困削減の文脈でもブームを巻き起こしているわけで、援助業界をリードする巨頭(世界銀行・英国開発省)の中期計画の中核を担っている。

この現金給付プログラムのブームが、永遠の命題を解決するかもしれない。その命題こそが、研究者と実務家の「結婚」というわけだ。

プロジェクトのインパクトを重視し、時には費用対効果よりも精緻な研究データの蓄積に重きを置く、研究者。プロジェクトのインパクトが必ずしも明確にわかっていないながらも、スピード、政治を優先し、スムーズなプロセスを重視する、実務家。この二者は永遠に分かち合えない性格を持っている残念なカップルと長らくみなされていた。

それが現金給付プログラムという仲人を得た今、一緒になろうとしている。

条件付現金給付プログラムはプロジェクトデザインの中には必ずといっていいほど、インパクト評価が含まれている。つまり、パイロット地域での社会実験を通じて、どういった案件デザインがその土地の文脈に適しているか、まずは小規模でトライアルする目的だ。

これが研究者の知的好奇心をくすぶった。現金給付プログラムのインパクト評価には多くの場合、ランダム化比較試験(RCT)が採用される。社会開発全般のインパクト評価に波及し、今や開発効果の測定には欠かせない存在となっている。

この傾向は今後10年で益々強くなるだろう。実務家が研究者を必要とし、研究者も実務家を必要とする時がもうそこまできている。

この記事の全文はこちらから(英語)。

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