ソー・ケン内務大臣は3月16日、すべてのカンボジア人に10桁のID番号を割り当て、個人における民間企業や政府からの情報を、中央データベースで一括管理することを発表した。
2019年に導入される新システムは、銀行口座の開設や、身分証明、また公共の秩序を維持するために役立ち、少なくとも4,000万ドルの費用がかかると予想されている。
一方で、政府批判への監視機能も果たすとして、同システムへの関心は急速に高まっており、海外における同様の取組みは、大規模なプライバシー侵害として議論されている。
人権団体アドホックの広報官は、「システム導入によるメリットは支持するが、政府を批判した人々への監視について懸念している。また海外では、機密データや個人情報がハッカーによって公開される問題も起こっている」と、このシステムについて懸念を表明した。
2010年には、55億ドルの費用をかけて英国で計画されていた国民IDカード制が、自由の侵害にあたるとして、新保守党と自由民主党の連立政権による政権交代を機に、廃止が決定されている。