カンボジア

カンボジア、依然としてドル支配が続く

Photograph: Ippei Tsuruga
Photograph: Ippei Tsuruga

10月21日に発表された独立行政法人国際協力機構(JICA)とカンボジア国立銀行(NBC)の共同調査によると、依然として米ドルが金融取引を支配 しており、リエルの使用が制限されているという。調査対象は、2014年から2015年までの世帯や企業、両替所、金融機関など。

家計では、所得のうち最もドル使用が大きいのは賃金で、家賃と電話料金以外のほとんどの支出はリエルで行われており、また、商品やサービスの支払いのため、ドルをリエルに両替する頻度が高かった。

一方、企業や金融機関は圧倒的にドルを好み、プノンペンやシェムリアップの収入と支出の65%以上はドルだった。預金・融資は共に、ドルはプノンペンなどの都市部で利用され、農村部ではリエルの人気があった。

また、金融機関の利用促進は過去20年間に渡り実施されてきたが、カンボジア人の大半は銀行口座を持っていなかった。

両替所では、リエルはドル、タイバーツ、ベトナムドンに次いで日常的に交換されている通貨で、約3億4,400万ドル分のリエルが、毎日買われている。

JICAの上級研究員は、「12月か1月にフォローアップ調査を実施する。現地通貨を使用する人々の認識を変えるには時間がかかる。しかし我々が出来ることは金融リテラシーを提供し、使用通貨を変更することだ」と述べた。

NBCのチア・セレイ総裁は、「調査結果は現地通貨の利用促進に良い影響を与えるであろう」と述べ、経済研究と国際協力部門のディレクターは、「2010年以降、プノンペン以外の多くで、毎年20%以上リエルの使用が増加している」と話した。

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