現在のフェルガナ盆地地域における現状と課題を整理し、主にキルギス南部におけるセキュリティー上の課題をレビューし、対応策について検討する。
投稿者: Naoki Nihei
中央アジア地域におけるEUによる新戦略
欧州連合(EU)と中央アジアの代表がキルギスの首都ビシュケクにて集合し、欧州による中央アジア地域への今後の関与について新しいストラテジーが発表された。旧ソ連崩壊後に関与を始めた欧州諸国にとって中央アジアは近年体制転換を迎えており、新たな体制との新しいパートナーシップを構築する時期にある。
中央アジアにおける新たな風
6月は中央アジアのカザフスタンで大統領選挙が行われ、新しい大統領が選出された。選挙の前後でカザフスタンの民衆の中で新しい動きがあり、今後の行く末が注目される。キルギスとタジキスタンでは、それぞれの首都でロシアと中国の二大大国が参加する大きな国際会合が開催された。
外的世界と絡み合う中央アジア
4月末に、中国がホストした現代版シルクロード構想といえる「一帯一路(Belt and Road Initiative: BRI)」に関する国際会議には、中央アジアの多くの首脳が参加しました。第二回目となる会議では、中国は、これまで通りまたはそれ以上に、中央アジアそしてユーラシア大陸、外縁の国々に対する影響力を保持していることを見せつけました。BRIにおいては、中央アジアの巨大な鉄道インフラ開発プロジェクトが注目されています。
中央アジアを巡る政治、経済、文化
キルギスでは内政は安定しつつも、政局では前体制と現体制の間での摩擦が続いており、また第三勢力による動きが水面下で続いています。4月は韓国大統領による中央アジア諸国歴訪がありました。今月号では、自身が最近訪問したタジキスタンの現地の状況について紹介し、シルクロード文化遺産と日本との関係を紹介します。
転換期に向かう中央アジア
この一ヵ月の間に中央アジアでは、地殻変動ともいえる3つの大きな出来事が青天の霹靂の如く起こりました。一番大きかったのは、カザフスタンで独立後史上初となる大統領の体制移行が行われたことです。
キルギス、大統領主催「地方開発に関する国家対話」
2月27日と28日の2日間にかけて、ジェエンベコフ・キルギス大統領主催により、地方開発に関する国家対話(National Dialogue on Regional Development)が開催された。
ウズベキスタン、国家戦略推進の強化
2016年9月、ウズベキスタンのカリモフ初代大統領の逝去・体制移行後、ミルジヨエフ新大統領は国内での改革を推進中である。
キルギス、セーフシティによる取り組み
キルギスでは、2019年2月セーフシティ・プロジェクト(Safe City Project)が本格的に開始された。具体的には、首都ビシュケクや国内の重要幹線道路の主要な交差点に監視カメラを設置するというものだ。
中央アジアの「今」を読む
中国の西側に隣接する中央アジア地域は、地政学的には、旧ソ連時代からの歴史的経緯もありロシアの影響を受けてきた。しかし、近年は中国による影響がますます拡大しつつあります。中国による「一帯一路」構想の影響を受けながら 、ロシアとの関係を維持しながら、様々な開発上の課題と向き合いながら発展しを続けるのが現代のシルクロードと呼ばれる中央アジア地域です。