ゆっくりと話し始めた彼の言葉に何度も頷いたのを覚えている。日常生活とどこか遠くの国で起きている事とが、僕の中で一本の線で結ばれた瞬間だった。
月: 2008年1月
タイ・ラオス陸路国境越え-バスで首都ビエンチャンへ
日も傾いてきた頃、僕はどこの国にもいなかった。昼食後に乗ったバスはタイとラオスの国境へ到着していた。全乗客は出国手続きを行うため一度下ろされた。タイ の出国手続きを終えた後、ラオスの入管までは5メートルくらいある。だからその5メートルはどこの国にもいないこととなるのだ。
コーンケンのゲストハウスからノンカイへ鉄道の旅
寝る前に開けておいた窓からは、耳障りな目覚ましの音が聞こえてくる。通りに面したこのゲストハウスでは、ニワトリや野鳥たちの声が朝を告げるのではなく、原付のエンジン音が朝を知らせてくれる。それでも朝7時30分まではしっかりと眠り、昨夜から9時間以上は寝ている。
バンコクからコーンケンへ鉄道で行く列車の旅-駅弁編
列車の窓から外に目をやると、華やかに近代化の進んだ首都バンコクが負の側面を覗かせる。巨大ビル群の陰に立つ2階建ての簡素な掘っ立て小屋群はその象徴的光 景だった。隣の家との間は10cm。どこが入り口かもわからないくらい密集したぼろぼろの小屋に住む人々もこの街にはいる。
バンコク発ラオス行き-バックパッカー鉄道列車の旅
ようやくバンコクに到着したときには午前3時を回っていた。3、4時間のフライトの間に少しでも眠りたかったのだけれど、機内サービスのためにせわしなく動き回る乗務員はそれを許してくれなかった。